マン島TT ZERO PROJECT

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2011年04月

TT零-11、困難を乗り越えてテストランに成功!

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ライダーの松下佳成も東京から駆け付け、TT零-11を初ライディング。
『想像していたよりはるかに乗りやすい。これならイケる!』と興奮気味に感想を語った。
※photo 南 孝幸

スタッフの総力戦で船積み前日に完成

 4月3日のテスト中にBMS(バッテリー・マネージメント・システム)装置に致命的なダメージを受け、チームプロッツァのマシン開発は中断。4月28日の積込み期限から逆算すると、独自設計のBMSを再製作する時間はない。結局、TT-零11に搭載されているバッテリーとモーターを活かし、できるだけ高いパフォーマンスを得られる汎用BMSを探して組み合わせることになった。
 とはいっても簡単なことではない。入手したイギリス製汎用BMSへの換装、関連パーツの最適化、ベンチ上でのテスト、再びパーツの最適化と、テストとチューニングを繰り返して完成度を高める作業は大変な労力と時間を要す。開発スタッフは休日返上はもちろん、後半一週間は不眠不休の作業となった。
 さらにTT零-11のカウリングとシートは、世界的なレーシングデザイナーの由良拓也氏率いるムーンクラフト社が製作を担当。こちらも震災の影響で製作進行が遅れ、仕上がったのは4月25日。TT-零11に装着されたのはテスト走行当日の27日という綱渡りスケジュール。次々と襲いかかる困難を乗り越え、サーキットでのシェイクダウンテストまでこぎつけたのは、まさに奇跡。この奇跡が起きたのは、絶対に諦めないというスタッフの情熱あってのことだが、TT-零11というマシンも『何かを持っている』のではないかとさえ感じさせる。

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シェイクダウンテストを行ったのは愛知県蒲郡市のスパ西浦モーターパーク。
まずはプロスタッフ社員の岸本チームマネージャー(国際A級ライダー)が試走。
本社から廣瀬社長も駆け付けた。

音もなくサーキットを駆け抜けるTT-零11

4月27日、日本のオートバイ史上に新たな1ページが加わった。日本製の電動レーシングマシンが実際に走ったのだ。
 セットアップ担当の岸本マネージャーとマン島レースに出場する松下ライダーの2名が、交互にTT-零11に乗ってサーキットを疾走。そこに聞きなれたレーシングマシンのサウンドはない。モーターから『キュイーン』という高周波音を控えめに発しながら駆け抜けていく。コーナーで見ていてもその走りは実にスムーズ。走行後のライダーに聞いても「加速もコーナリングでのハンドリングも意外なほど普通で、乗りにくさはない」という。
 ギアのファイナルレシオがまったく合っていなかったためにタイムアタック的な走行まではできなかったが、多くの実走データも得られた。懸念されていた電気系トラブルは充電系統の不具合程度で、初走行としては上々の結果。この3週間、スタッフ一同が抱えていた不安は、安堵、そして期待へと変わった。 午前中に走行を終了したTT-零11は直ちに本社に戻り、翌日マン島へと送り出された。現地到着は5月中旬、海を渡ったマシンはそこで最終調整される。いよいよチームプロッツァのチャレンジが山場を迎える。

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ほぼ実戦仕様のルックスとなったプロッツアTT-零11。
ムーンクラフトがデザインしたカウルはモーターの冷却を考慮した形状になっている。
タンクカバー、シートカウルも一品ものだ。
※photo 南 孝幸


■TT-零11 spec
・パワーユニット:直流モーター
・バッテリー:電圧92.5V
・装備重量:178.5kg(ベース車の装備重量は185kg)
・車体重量バランス:前54%/後46%
・最高速:約220km/h(ダイナモ試験・無風)

(構成/文:太田安治)



●チームプロッツァ マン島TTzeroプロジェクト
http://prozza.com/ttzero/

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